BroadLine(ブロードライン)

導入事例
読売テレビ放送株式会社

業種:放送業

テレビCM運用の高度化に向けてAWS接続環境を構築
通信の遅延やダウンを起こさない可用性の高いネットワークを実現

導入効果
堅牢な接続回線により放送システムに求められる高可用性を実現
柔軟かつ迅速なサポートで要件変更の課題もシームレスに解決
将来を見据えたAWS全体の相談が可能なITパートナーを獲得
導入サービス
AWS接続サービス
読売テレビ放送株式会社
設立
1958年2月
所在地
大阪府大阪市
事業内容
放送法による基幹放送事業、放送番組の企画・制作および販売 他
URL
https://www.ytv.co.jp/
ロゴ:読売テレビ放送株式会社

写真:久保氏

1958年開局の読売テレビ放送株式会社は、近畿広域を放送エリアとする日本テレビ系列の地上波テレビ局だ。報道・情報からドラマ・バラエティまで幅広いコンテンツを制作・放送している。近年では放送とデジタルを融合した放送DXを重要テーマに掲げ、クラウド技術の活用を積極的に推進している。
同社は2025年、日本テレビがアマゾン ウェブ サービス(AWS)上に構築した次世代テレビCM運用プラットフォーム「Ad Reach MAX」の利用開始に向けて、リレーションEthernetとAWS Direct Connectの導入を決定した。放送システムに直結する可用性の高いネットワークインフラが求められる中、AWSからの紹介を受けて選定したITパートナーが株式会社TOKAIコミュニケーションズだった。

久保 凜太郎 氏
読売テレビ放送株式会社
クロステック局 マスター担当
兼 ビジネス局 東京ビジネスセンター
写真:久保 凜太郎 氏

目次

新システムへの接続環境構築が急務に

読売テレビ放送株式会社では、請求処理や伝票管理を担う業務システムなどをAWS上で稼働させていた。そうした中、新たな課題として直面したのが、「Ad Reach MAX」への接続環境の構築だった。

「Ad Reach MAX」とは、2025年3月に日本テレビがAWS上に立ち上げた次世代テレビCM運用プラットフォームだ。視聴データに基づいてCM素材や出稿条件を放送直前まで柔軟に変更することが可能となる。これにより、広告主の要望に応じてより効果的なタイミングでCMを放送できるようになるほか、ターゲット層の何人が実際にCMを視聴したかをデータで把握できるようになる。Ad Reach MAXの利用に向けたインフラ整備の重要性について、クロステック局 マスター担当 兼 ビジネス局 東京ビジネスセンターの久保凜太郎氏は、次のように説明する。

「当社では2026年10月からの利用開始を計画していますが、Ad Reach MAXに接続する回線は、既存のAWS接続回線とは別に用意する必要があると考えていました。それというのも既存の通信事業者とは契約期間の縛りがあり、かつAWSに関する専門知識を有している事業者ではなかったためです。Ad Reach MAXはCM放送に直結するシステムなので、通信の遅延やダウンを起こすわけにはいきません。また利用に際しては、番組・CM・字幕などを時刻通りに送出するマスターシステムと、営業・放送業務を一元的に管理する営放システムの2系統が、Ad Reach MAXとデータ連携する必要があります。最低でも2本の回線を確保しなければなりません。一時的ではなく、長期の安定稼働が可能なAWS接続環境を、当初からしっかり構築しておく必要がありました」(久保氏)

AWSと放送業務を理解しているITパートナーを選定

新たなAWS接続環境の構築にあたり、同社はAWSのソリューションアーキテクトに相談したという。Ad Reach MAXへの接続環境を構築するためには、なによりもAWSへの深い知見を持つ新たなITパートナーが必要不可欠だと判断したからだ。

「単なる通信事業者ではなく、今後当社に適したAWS活用の方法についても一緒に考えてくれるITパートナーを紹介してほしいとお願いしました。そのためには放送業務に求められるIT要件を理解していることも必須でした」(久保氏)

こうしてAWSから紹介されたのが、AWSパートナープログラムの最上位ランクであるAWSプレミアティアサービスパートナーの株式会社TOKAIコミュニケーションズだった。久保氏は、2024年の夏前から打ち合わせを重ね、提案を受ける中での、TOKAIコミュニケーションズの知見と対応力を高く評価する。

「当初私たちは、具体的なネットワーク構成のアイデアまで固まっていませんでした。“AWS上の新たなシステムに安心・安全にアクセスして、通信の遅延やダウンは絶対に起こさないようにしたい”というレベルの相談だったのです。それに対してTOKAIコミュニケーションズは、豊富な導入実績をもとに、冗長化や運用まで含めた具体的な提案をしてくれました。それが大きな安心材料になりました」(久保氏)

こうしたプロセスを経て同社が導入したのが、リレーションEthernetとAWS Direct Connectだ。マスターシステム系統にTOKAIコミュニケーションズの1Gbpsの専用線を導入し、営放システム系統には既存の通信事業者の電力系回線を継続利用することで、冗長化を実現した。

信頼性の高い回線をスピーディーに開通

同社は2025年11月、リレーションEthernetとAWS Direct Connectの導入を完了した。現在は2026年10月に予定しているAd Reach MAXの利用開始に向けて、さまざまな検証を積み重ねている段階だ。

放送業のシステムに関わるITパートナーには、通信の遅延やダウンを起こさないネットワーク環境を前提に、通信の可用性を確保できる提案力と技術力が求められる。TOKAIコミュニケーションズはその高いハードルを着実にクリアしたと、久保氏は評価する。

「AWS接続環境への疎通テストや動作確認では、遅延やパケットロスもなく、想定通りの安定した接続を確認できています。現時点でネットワークレベルの検証はすべて終わり、アプリケーションレベルの検証フェーズに入っています。次世代のテレビCM運用プラットフォームであるAd Reach MAXへのアクセスに対して、高い信頼性を本番前に早期に確認できていることは、非常に大きな成果だと感じています。これもTOKAIコミュニケーションズの丁寧なサポートの賜物です」(久保氏)

また、今回のプロジェクト進行では、複数の要件変更や工程調整が必要な場面が生じたが、TOKAIコミュニケーションズはその度に真摯に対応してくれたと、当時を振り返る。

「回線の開通時期の調整など、多くの相談事項がありましたが、TOKAIコミュニケーションズはその都度、柔軟かつスピーディーに、正確に対応してくれました。また、事前に役割分担表を作成していただき、ここは当社が担当します、ここは御社のご担当です、という線引きを明確にしてくれました。こうしたプロジェクトの進め方は、本当に安心のできるもので助かりました」(久保氏)

AWSの利用を拡大しグループ全体のDX推進も視野に

読売テレビ放送では、今回のAWS接続環境構築と並行で進めていた、リアルタイム字幕システムのAWS移行は、2026年7月末に完了を迎える予定である。

「従来オンプレミス環境3系統で運用していた字幕設備を、オンプレミス1系統、当社が利用している既存のAWS上に2系統という構成へ移行する予定です。オンプレミスとAWSを組み合わせた構成に切り替えることで、放送設備のクラウド活用比率は一気に高まる見込みです」(久保氏)

同社はこの移行プロジェクトにおいても、TOKAIコミュニケーションズからの的確な提案を受けたという。

「既存のAWS環境にAWS Direct Connectゲートウェイを構成し、閉域接続用のVirtual Interfaceを追加することで、オンプレミス環境とAWS環境との閉域網接続を実現しました。まさに当社のAWS環境全体を踏まえた最適な提案です。今後も安心していろいろと相談できるITパートナーだと感じています」(久保氏)

読売テレビ放送は今後も、コストメリットと利便性を見極めながら、オンプレミスとクラウドの最適な使い分けを進めていく方針だ。

「クラウドとオンプレミスの使い分けは今後も続きます。その中でクラウドにすることで利便性が上がるものについては、AWSをメインに積極的にクラウドシフトしていきたいと考えています。そうした中でTOKAIコミュニケーションズには、単なる通信事業者としてではなく、AWSの活用における私たちの課題や悩みに対して一緒に解決策を検討してくれるITパートナーとして、引き続き頼りにしていきたいと思います」(久保氏)

さらに久保氏が今後の大きなテーマとして語るのが、福岡放送・読売テレビ放送・中京テレビ放送・札幌テレビ放送の4社で構成される読売中京FSホールディングス(FYCSホールディングス)のグループ企業全体を巻き込んだ放送DXの推進だ。

「将来的に4局間を安定した閉域ネットワークで接続することができれば、放送設備やクラウド基盤の共同活用、視聴データの横断的な共有など、これまで局単体では実現できなかった新たな価値が創出できる可能性があります。例えば4局をつなぐ広域網のようなネットワークを構築できれば、データの共同活用によって広告ビジネスの可能性はさらに広がります。こうした将来に向けての取り組みを具体化するためにも、今後もAWSと放送業務の双方に深い知見を持つTOKAIコミュニケーションズの強力なパートナーシップに期待しています」(久保氏)

構成図:読売テレビ放送株式会社

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